第17回 雅楽と国際文化交流



日 時:2025年11月16日(日) 14:00 開演
場 所:東京大学本郷キャンパス安田講堂
演 目:第1部 講 演
    講 師:鈴木聖子(大阪大学大学院人文学研究科 准教授)
    テーマ:「日本音楽史をめぐる幻想-東京帝国大学・東京大学出身の音楽研究者たちの声を聴く」
    第2部 雅楽演奏
    曲 目:「楽器紹介」管絃「双調音取」「陵王」「鳥急」舞楽 右方「還城楽」
    演 奏: 北之台雅楽アンサンブル
    特別出演 安齋省吾(元宮内庁楽部首席楽長)
         大窪貞夫(重要無形文化財保持者)
         久恒壮太郎(重要無形文化財保持者)

駒場キャンパスにおけるプレイベントの模様はこちらから

 11月16日(日)、竣工100周年を迎えた由緒ある東京大学安田講堂において、第17回「雅楽と国際文化交流」が開催されました。当日は、東京大学の在学生・卒業生・研究者の皆様をはじめ、一般の方々まで約850名が来場され、大盛況のうちに終了いたしました。

第一部 講演

 第一部では、「日本音楽史をめぐる幻想-東京帝国大学・東京大学出身の音楽研究者たちの声を聴く」と題し、鈴木聖子准教授(東大出身、大阪大学大学院 人文学研究科)よりご講演をいただきました。
 鈴木准教授は、東大出身研究者による日本音楽史研究と雅楽の変遷について考察され、1500年にわたり脈々と受け継がれてきた雅楽の歴史、東京帝国大学の研究者であった田辺尚雄らの思想、さらに戦後の研究の展開について紹介されました。
 雅楽を「実践音楽」として再評価し、未来への継承の意義を示す、非常に示唆に富む講演となりました。

第二部 雅楽公演

 第二部では、元宮内庁楽部首席楽長の安齋省吾先生(楽筝・龍笛)、重要無形文化財保持者の大窪貞夫先生(舞人)、久恒壮太郎先生(篳篥)に特別出演いただき、雅楽の演奏が披露されました。
 管絃では、双調の力強いリズムが印象的な「陵王」、壱越調「迦陵頻急」から移調された華麗な旋律の「鳥急」が演奏され、舞楽では巳年に因み、勇壮で躍動感あふれる走舞「還城楽(右舞)」が上演されました。

寄せられた主な感想より

• 「藤原時代には家庭音楽であった雅楽。主人が笙、客が琵琶、妻が箏を手に取り、自然と合奏が始まるという光景が語られた時、ハッとしました。」
• 「物理学専攻の自分にとって、物理学者が音楽研究をしていたという話はとても興味深かったです。」
• 「安田講堂の雰囲気が雅楽にぴったりで驚きました。音響も照明も素晴らしかったです。」
• 「舞人の体幹の強さに圧倒されました!」
• 「双調音取から鳥肌が立ち、陵王の終わり方が格好良く痺れました。鳥急は美しすぎて涙が出ました。舞楽は初めてで感動しました。」
• 「鳥急が特に印象的でした。子どもが舞ったらさぞ可愛いだろうと想像が膨らみました。還城楽も足運びの見事さに加え、蛇を見つけた喜びの表現など、とても楽しく鑑賞できました。」
• 「心が落ち着く不思議な音色。指揮者のいないオーケストラというスタイルが印象的で、互いの音を聴き合いながら調和していく姿に東洋的精神を感じました。」

♪ 多くの温かいご感想をありがとうございました!